2012年09月04日

最終調整について③

今回は前回書きました内容を僕が実際に体感した事、見解を織り交ぜながら

解説していきたいと思います。


まず、最終調整は大きく分けると体内から出来るだけエネルギーを枯渇させる期間の

カーボディプリートと、逆に体内へ出来るだけエネルギーを貯蔵させるカーボアップという

二つの期間に分けられると認識しております。


この期間の長さ、過ごし方は人によってバラバラなので出来るだけ感覚を研ぎ澄まし、

毎回の調整で常により良い方法を模索していく必要があります。


さて、僕の今回の調整では前回の記事ではコンテストから7日前、つまりは日曜日を

コンテストとするとその前の日曜日から記してあり、内容を見るとここからノンカーボ、

ノンファットでカーボディプリートを開始したかのように思われますが、実はその前の週の

月曜日から「お盆休暇はトレーニング合宿」と、追い込みをかけるべく既にノンカーボ、

ノンファットを開始し、合宿終了後もそれを継続していた為、実際にディプリートしたのは

なんとカーボアップを開始する翌週の木曜日までで数えると実に10日間にも及びます。


後から考えると本当に無謀な事をしたなという気持ちですが、何故ここまでやったかというと

不思議と思ったよりもきつく感じず、トレーニングも強度を落とすことなく普通出来てしまった

からです。出来るなら出来るとこまでやってみようと思っていたらいつの間にかカーボアップの

タイミングになっていたという感じです。


これはとても不思議な体験で、自分の中ではあまりしっくりと見解出来なかったので、

お客様で医師の方にお聞きしたところ、極度の低体脂肪や低血糖状態にあると、アドレ

ナリン等の興奮作用を持つホルモン分泌が増加することがあると教えて下さいました。


そこまで僕の身体は極限状態にあるのかとゾッとしましたが、コンテストへ向けて気持ちが

高ぶっている事もあり、僕はどちらかというとその影響の割合が大きいことを信じました。


結果としてはこの10日間でInbodyの測定値では体脂肪率5%前後から3.0%にまで

落とすことが出来ましたし、実際の見た目のコンディションもコンテストレベルへと持って

いけたので競技者としては良かったと思っていますが、もっと乱暴じゃない方法があれば

知りたかったですし、今後模索していくという気持ちです。


この期間のトレーニングの内容は使用重量には一切こだわらずに、各種目丁寧なフォームで

10レップ~20レップ前後が可能な負荷設定。

更にはスーパーセット(2種目連続)、トライセット(3種目連続)、ジャイアントセット(4種目連続)を

多用、インターバルは可能な限り短く。


筋量維持=使用重量ではなく、筋量維持=運動強度と解釈しているので重量を落とした分、

他の要素を充実させて運動強度を高めるイメージで行いました。


とにかくハイボリュームで全身のエネルギーを絞り出す。

効かせるフォームとショートインターバルでどんどんパンプアップさせていくイメージ。


ただ、脚のトレーニング時のスクワットだけは重量を下げると僕の場合効かなくなってしまうので

通常の負荷で行いました。


個人的にはこのタイミングでのトレーニングは内容がどうというよりも、しっかりと対象筋に

効いていて、エネルギーを出し切れるようなトレーニングであれば何でも良いと思います。


さすがにディプリート最終日の上半身のトレーニングはトレーニングをやる以前にプレートの

付け替えも辛く感じるくらいカラダが重たくなっていましたがここまでやれば確実にカーボ

アップの効果を得られるという感触を味わったので、僕の中ではカーボディプリートが

しっかりと決まり、最終調整が上手く進んでいるという感触をしっかりと感じました。


翌日からはカーボアップで高炭水化物食を開始。コンテストデビュー当時はワクワクで色々と

食べまくりましたが、回を重ねるごとに炭水化物食品にも合うもの、合わないものがあることに

気付き、また一歩間違えばコンディションを逆に悪くしてしまうという恐怖感も芽生えたので、

現在はシビアに合う食材だけを必要な量だけ淡々と3日間にわたり食べていきます。


トレーニングは早朝の1回目の食事の前に全身を軽くパンプさせる程度の軽いトレーニングを

行いインスリンの感受性を高め、カーボアップ前に糖質が筋へ取り込まれるのを促進します。


それからコンテスト当日まで完全休養。行う運動と言えばポージング練習のみ。


これで事実上コンテスト13日前から4日前までに至ったカーボディプリートは終了。

今回はコンディションとしては2週間前にまだ絞り切れていない状態でしたのでカーボ

ディプリート期間というよりも実際には最後の絞り込みの為にノンカーボ、ノンファットを

実践した期間と解釈したほうが正しいかもしれないので、もう少し早く仕上げていたら

10日もかけずに済んだと思います。


ただ、仕上げた状態で長期間過ごす事も身体にとって決して楽ではないので最終的には

体感的に自分で合う方法を行えばよいと思います。


余裕をもって仕上げ、ディプリート期間を短くするか、

最後の短期間で集中して仕上げるか、


どちらが正論かは実際に行ってみた感覚とカラダが発する声が教えてくれることでしょう。


長くなりましたのでカーボアップは次回へと続く。



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Posted by スポーティアスタッフ at 14:35│Comments(6)ボディビル
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この記事へのコメント
初めまして☆いつも日記を楽しんで見ています。
日記内の食事は凄く参考にさせてもらってまして…特にオートミールのレシピはバツグンでした。
マッスルさんのが今までで一番美味しくて
世界が変わりました。
ありがとぉございます☆

入賞おめでとうございました。
これからも頑張って下さい。
応援しています☆
Posted by きょうこ at 2012年09月04日 15:25
詳しくまた分かりやすく教えて頂いてありがとうございます。
コンテストビルダーにとっては本当に目からウロコです。

水分を取らず塩分も取らないで複合炭水化物を摂取するって絶対辛いですよね。

私は何回か大会へ出場しているのですが、カーボローディングは失敗が怖くてしたことがありませんでした。また明確な情報がなかったのも現状です。

来年は井上さんのこの情報を教本にカーボローディングを実行します。
例え失敗しても後悔はしません。失敗があって成功があるんですもんね。

井上さんのブログが、そう教えてくれたし勇気と信念をこのブログで貰うことができて大変感謝しております。

日々の仕事の中で責任が強いられ期限付きな業務をこなして、トレーニングやボディビルの勉強をしている井上さんは大変凄いと思います。

まだまだ大会が控えてるんですよね。お体に気をつけて頑張ってください。
応援しております。

またコメント書きますね。
Posted by トッキッキ at 2012年09月05日 00:21
自分は減量時に、キレやすくなり眠りも浅く、いろいろ調べてたら
低血糖状態になると、先ほど言われてた、アドレナリン、ノルアドレナリンの分泌が盛んになり、結果そうなってしまったみたいです
攻撃ホルモンですもんね

アドレナリンは血糖値の上昇を高めるみたいですね
肝臓を刺激して、グリコーゲンに働きかけブドウ糖への分解を促進させて、さらにインスリン分泌を抑えるため、血糖値が上がるらしいです!

いろいろボディビルをやっていると人間の身体の神秘には驚かされますね本当に!

そこにはメンタルが深く関わっていると思います!

減量時には、いかに重量落とさず、オフと変わらない、ウエイトを持つか 落ちると思い込んでしまえば、落ちると思うんですよね

減量時にはコルチゾールの分泌が盛んになりますから
それが筋肉に悪影響を与えるみたいです

オンもオフも365日
自分との闘いですね!

大会が終われば、来年の大会に向けて
ですね

減量後の二週間はかなり大きくなるみたいなんで、休んでる暇はないですね笑

ボディビルは本当に素晴らしいです
自分に勝ち続けた人間がボディビルの舞台で同じステージに上がった人間に勝てるんですね
Posted by 榛木勘介 at 2012年09月05日 06:43
きょうこさん

ありがとうぎざいます!
オートミールとバナナの低脂肪乳煮は僕の
中でも1、2位を争うレシピで最近ではもう
毎日食べています。

減量中でも食事が美味しく感じられれば
気持ちの負担も減ってい良いですね(^^)
Posted by 井上 at 2012年09月05日 16:16
トッキッキさん

コメント頂き、ありがとうございます。

少しでも良いコンディションでステージへ立ちたいのであれば
カーボローディングをお勧めします。

おっしゃるようにたとえ失敗したとしても長い目でみれば
絶対にプラスになる経験だと思います。

ボディビルも仕事も元々は筋トレが好きで始めたので、
好きな事を精一杯させてもらっている自分は幸せ者ですよ。

この両立を目指して頑張っています。

今後とも温かくお見守り下さい!
Posted by 井上 at 2012年09月05日 16:50
カンスケ君

さすが!その通りだと僕も思います。

順位を上げるとか、あの選手に勝つという以前に
365日トレーニングしている時もトレーニングしていない時も
高い意識を保ち自分に打ち勝った人間が勝つのがボディビル。

お互い頑張りましょう!
Posted by 井上 at 2012年09月05日 16:54
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